医療脱毛とは
医療レーザー脱毛は、毛一本一本のメラニン色素に働きかけて熱を毛根奥の毛乳頭にまで行き届かせ、毛乳頭周辺の毛母細胞を破壊する医療行為です。
お肌に関してはレーザーによる熱は伝わるものの、無関係の皮膚組織を傷つけてしまうような影響力までは持ちません。
よって、敏感肌の方でも、アトピー肌の方でも基本的に医療脱毛レーザーで完全な脱毛を目指していただくことが可能です。
レーザー脱毛器が与える作用
脱毛メカニズムとしては、毛一本一本のメラニン色素に働きかけ、レーザーによる熱エネルギーで毛乳頭など、毛を生成する根元の組織を破壊します。
ご家庭やエステで行なわれる脱毛とは本質的に使われる機器やレーザー出力も異なりますので、確実な脱毛、うぶ毛などの処理も可能となります。
また、専門医による判断のもと、部位に合わせた適切な調整も行なわれますので、周辺の皮膚組織にはほぼノーダメージで脱毛を実現することができます。
当院で使用する脱毛機器は、大学や学会などの研究結果を経て、信頼性が確保された熱破壊式(ショット式)のレーザー脱毛器のみを使用しております。
カウンセリングと医師の診察の重要性
「脱毛カウンセリング」では、ムダ毛のお悩みに対する解決策として脱毛施術をご案内いたします。そのため、ムダ毛はある程度残されている方がカウンセラーの側で毛質や毛量などを確認しやすくなります。
実際に気になっている部位のムダ毛を見せていただいた方が適切に施術期間や施術回数などの目安がご案内できます。医師による診察では安全に医療脱毛施術をお受けいただくため、「お手入れしたい部位」や「お肌の状態」を確認させていただきます。
また、「これまでの病歴」や「アトピーやアレルギーの有無」などもお伺いします。皮膚の状態や既往歴によっては、医療脱毛が適さないケースもありますので、しっかりと事前の診察を徹底しております。
持病との関係で医療脱毛が難しいケース
- 心臓疾患をお持ちの患者さま
- ペースメーカーをお使いの患者さま
- がん治療を受けておられる患者さま
- 免疫不全がおありの患者さま
- HIV等の血液のご病気をお持ちの患者さま
- 強い湿疹をお持ちの患者さま(季節的なお肌の乾燥傾向などは除く)
※これらは安全性を期すために非常に重要な内容になります。
医療脱毛の必要回数
当院では、一般的に2・3ヶ月毎のスパンで5~6回程度の施術を受けていただき、自己処理をしなくても気にならないレベルを目指していただいております。
部位によって異なる毛周期(もうしゅうき)
成長期
毛が作られてすくすくと成長していく時期です。毛母細胞が活発になるため、このタイミングでレーザー照射を行なえば、毛乳頭に効果的に熱を伝えられ毛根組織の破壊が期待できます。
退行期
毛根奥の毛乳頭を取り囲む毛母細胞の分裂が衰え、毛の成長が止まる時期です。毛が毛乳頭から離れていき、抜け落ちるための準備段階に入ります。毛母細胞の働きが鈍くなっているため、レーザー照射をしても効果的に毛根組織を破壊できません。
休止期
毛が毛乳頭から完全に離れ、毛が抜け落ちる時期です。毛を生成する組織が冬眠しているような時期ですので、毛母細胞が働いておらず、レーザーを照射しても毛乳頭にほとんど影響を与えることはできません。
皮膚の表面に見えている毛は20%程度
一般的に皮膚の表面に見えている毛は、成長期と退行期の一部の毛になりますので、その人が潜在的に備えている毛全体の20%程度に過ぎないと言われています。このため、お手入れの必要を感じないような「毛がほとんど生えてこないお肌」を目指すの場合には、表面的に見えていない休止期や退行期にある毛根についても、再び成長期に入ったタイミング(毛母細胞が活発になっている時期)にレーザー照射をする必要があります。複数回の施術が必要になるのは、このような毛周期という毛のメカニズムが背景にあるためです。
部位ごとに必要な施術回数の目安
部位 | 成長期 | 退行期+休止期 | 施術回数 |
---|---|---|---|
頭髪 | 2年~6年程度 | 3ヶ月~4ヶ月 | - |
顔(眉など) | 1ヶ月程度 | 1ヶ月程度 | 6~9回程度 |
腕 | 3ヶ月~4ヶ月 | 3ヶ月~4ヶ月 | 4~6回程度 |
ワキ | 3ヶ月~5ヶ月 | 3ヶ月~5ヶ月 | 5~7回程度 |
脚 | 4ヶ月~5ヶ月 | 4ヶ月~5ヶ月 | 4~6回程度 |
Vライン | 1年~2年 | 1年~1年半 | 5~7回程度 |
Iライン/Oライン | 1年~2年 | 1年~1年半 | 6~10回程度 |
当院では、このような部位ごとの毛周期の違いや傾向を念頭に入れ、各患者さまのご希望に応じて適切な施術時期やタイミングをご提案させていただいております。
施術で考えられるお肌へのリスク
当院では、情報を正しく適切にお伝えする「インフォームドコンセント」と呼ばれる医療モラルを重視しております。
どのような脱毛施術にも一定程度のリスクが存在しますので、それをご案内してご納得いただいた上で施術をお受けいただけるようにしています。
お肌のトラブルが生じてしまった場合であってもしっかりとケアできる医師による治療体制がありますのでご安心ください。患部を確認させていただいた上で、炎症を抑えるお薬など適切に処置してまいります。
やけど
レーザー脱毛器では毛のメラニン色素にレーザー光を吸収させ、熱エネルギーで毛根組織を破壊します。お肌そのものにもメラニンは存在しているため、施術後はお肌が非常に軽いやけどを負った状態になるのが通常です。
一般的にはすぐにこのような赤みは引いていきますが、それでも100%やけどリスクがないわけではございません。
増毛化・硬毛化
増毛化とはかえって毛が増えてしまう症状、硬毛化とはかえって毛が太く強くなってしまう症状です。うぶ毛などのメラニン色素をあまり多く含まない毛に対して施術する際は、うまく毛の生成組織「毛母細胞」に熱エネルギーを伝えられないこともあり、かえって刺激を与えてこのような症状が出てしまう可能性も出てきます。
医療脱毛では、増毛化や硬毛化が起こらないようにレーザー出力を調整したりレーザー脱毛器を使い分けたりしますが、完全にこれらのリスクを排除できるわけではございません。
毛嚢炎(もうのうえん)
自己処理でよく見られるもので、毛穴に菌が入って白ニキビのような状態になる症状です。自己処理の場合とは異なり、医療脱毛では無理やり毛を引き抜いたりお肌に細かな傷をつけるようなことはありません。
それでも毛が離脱していくことで毛穴のバリア機能が一時的に低下しますので、毛嚢炎になる可能性がないわけではございません。自己処理と比べて極めて低い確率にはなりますが、一定程度このようなリスクも存在します。